欧州スーパーリーグ構想とは何?メリット・デメリットを考えてみた

欧州サッカーがいま大きく揺らいでいる。

 

レアルマドリードのフロレンティノ・ペレス会長がビッグクラブ主体の大会である欧州スーパーリーグの創設を正式発表した。

 

この構想が実現すれば、UEFAチャンピオンズリーグはどうなってしまうのか。

 

欧州スーパーリーグ構想のメリット・デメリットを考えてみたい。

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欧州スーパーリーグ構想とは?

欧州スーパーリーグはヨーロッパ選りすぐりのビッグクラブ同士で行う新たなリーグで、実現すればUEFAチャンピオンズリーグに取って代わる大会になる。

 

スーパーリーグは20クラブで開催予定だが、現在参加を表明しているのは12クラブ。

スーパーリーグ参加クラブ

プレミアリーグ

マンチェスターユナイテッド、マンチェスターシティ、リバプール、チェルシー、トッテナム、アーセナル

ラリーガ

バルセロナ、レアルマドリード、アトレティコマドリード

セリエA

ユベントス、インテル、ACミラン

 

今後この12クラブに3クラブを追加して15クラブが創設メンバーとなり、残り5クラブは前シーズンの成績に応じて流動的に参加するシステムになる。

 

バイエルンやドルトムントなどのブンデス勢、パリSGなどのリーグアン勢は現状参加を否定しているが、今後の動向によっては参加する可能性も否定できない。

 

欧州スーパーリーグのフォーマット

まず10クラブずつの2グループに分かれ、ホーム&アウェーでリーグ戦を行う。

 

上位3クラブは準々決勝に進出。

4位と5位チームはプレーオフを行い、勝ち残ったチームが準々決勝に進出する。

 

これまで通り国内リーグには参加することを前提にしているので、開催はCLと同じくミッドウィーク開催になる。

 

欧州スーパーリーグのメリット

ビッグクラブ同士のマッチメイクが増える

スーパーリーグ最大のメリットは大会の序盤からビッグクラブ同士の試合を多く見られる点にある。

現状のCLグループステージでは実力差の大きい試合や消化試合が多く存在するのも事実で、CLと比べると質の高い大会になることが予想される。

 

参加クラブの経営が安定する

スーパーリーグは資金力が豊富な15クラブは莫大な立ち上げ金を出す代わりとして、毎年固定で参加できるようになる。

よって、参加クラブの経営はより安定することが考えられる。

放映権料をUEFAに取られることなく、各クラブに分配できるのもメリットだろう。

現状では国内リーグの過酷なCL争いに敗れ出場権を逃すと、クラブにとって大きな損失になってしまう。

昇格・降格のない閉じられたリーグにすることで、各クラブ安定した収益を出すことができ、投資がしやすい環境になるため、経営陣・スポンサーが受ける恩恵はかなり大きい。

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デメリット

マンネリ化

リーグ開設当初はビッグクラブ同士の試合を楽しめるかもしれないが、参加する15チームは固定のため、徐々にマンネリを起こす可能性がある。

CLの舞台でも滅多に対戦しないからこそワクワクするのであり、毎年ビッグクラブ同士で戦い合えば、その試合に希少性が無くなる懸念も。

固定制で戦うアメリカのプロスポーツや日本のプロ野球に馴染みがある人は、ある程度の耐性はあるが、欧州のサッカーファンにとっては簡単に受け入れられる話ではないように思う。

また、国内リーグのCL出場権争いは時にドラマを生み、そのスリルが見る側をより楽しませている。

アタランタ、レスターなど近年躍進しているクラブや今季のウェストハム、ヴォルフスブルク、フランクフルトのように中堅・弱小クラブのチャンスが減ってしまうのもデメリット。

 

ジャイアントキリングが無くなる

これまでCL本大会では格下と見られたクラブがビッグクラブを倒し、躍進を見せたケースが数多くある。

まさにジャイアントキリングはサッカーの醍醐味の一つであり、巨大な敵に勇敢に立ち向かう姿にファンは熱狂し感動する。

スーパーリーグでハイレベルな試合をたくさん見れるのは嬉しいが、欧州の舞台でこれが無くなると考えると寂しい。

 

チャンピオンズリーグの歴史が途絶える

スーパーリーグ構想が実現すれば、CLの伝統は間違いなく失われる。

CLは世界中のサッカー選手が目指す一つの目標であり、それだけの価値と権威を70年の歴史で作ってきた。

エバートンのように豪華な新スタジアムを設立してCL出場を目指すクラブ、中堅国からCLに出場しビッグクラブとの対戦を夢見るクラブもある。

スーパーリーグはそういった思いを不意にする構想だと言える。

 

スーパーリーグ参加クラブに所属する選手は代表戦に出られない

スーパーリーグにはUEFAだけでなく、FIFAも「閉鎖的なリーグ」と猛烈に反対している。

UEFAとFIFAはスーパーリーグに参加するクラブの選手への代表戦を含むUEFA大会とFIFA大会への出場禁止を示唆しており、スーパーリーグ創設はW杯の権威も失いかねない。

一方、スーパーリーグの初代会長を務めるレアルマドリードのペレス会長は、制裁が実行される場合「独自のW杯」の創設を表明しており、全面対決の様相を呈している。

 

国内リーグも参加できない可能性あり

スーパーリーグ参加のクラブは変わらず国内リーグには参加する方針だが、イングランド、スペイン、イタリアのサッカー連盟は、UEFAと一緒に強硬措置に出ることを示唆している。

よって、スーパーリーグ構想が実現すれば、国内リーグへの参加が禁止になる可能性が高い。

 

落としどころを見つけられるか

スーパーリーグ構想はCLの分配金が少ないこと、放映権料をUEFAがほとんど独占していることに不満を感じていた背景があり、そこをアメリカ資本やアメリカ人オーナー、ペレス会長が主導したとされている。

そして、コロナで各クラブの財政が悪化したことで、一気にスーパーリーグに傾いた。

 

一方で、UEFAは2024年に向けCLの新フォーマット制定を目指しており、新たなCLでは32チームから36チームに増加。

グループステージは従来の6試合制から10試合制になり、放映権料とビッグクラブの分配を増やすことを目標にしている。

 

しかし、参加数の拡大と試合数の増加は更なるチーム格差と過密日程を生むだけで、これもビッグクラブがUEFAに反対している一つの要因でもある。

 

とはいえ、スーパーリーグも露骨な利益主義であり、もしもこの構想が実現しアメリカンスポーツ化すれば、地域社会との結びつきが強い欧州のフットボール文化を破壊することになりかねない。

 

選手・スタッフ・ファンサポーターを蔑ろにしたこの利益VS利益の争いを解決するには、UEFAが今の方式のまま金銭面を改善するしか落としどころがないように思う。

 

今後この対立はどういう着地を迎えるのか目が離せない。

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